Ambition ~Cidre & Wine~

 これまで当園では、りんご主体の専業農家として、生産・加工・販売まで一貫した事業経営を行ってまいりました。生産においては、飛驒の気候に合わせた栽培手法の確立と電子技法の導入。加工においては、あっぷるジュースやあっぷるジャムなどの商品開発。販売においては、宅配を中心としたお客様への直接販売。

そうした自然や植物に対する深い理解と専業農家としての経験を踏まえ、新商品の開発、新事業の立ち上げに取り組んでいます。

・シードルの開発(りんごのスパークリングワイン)
 発泡性のあるお酒で、りんご特有の酸味や香り、低アルコール(3~8%)が特徴です。食べても美味しいサンふじを主体に甘口・辛口の2種類を委託醸造しました。2020年7月より販売開始しております。→Cidre 飛騨

・飛騨ワインの開発
 日本ワインが取り沙汰される中、2022年時点で、飛騨にはワイナリーが1件もありません。1987年、飛騨産のワインを作ろうと”ヤマブドウ分科会”(後の”飛驒山ぶどう研究会”)が発足しました。翌年、長野県で委託醸造、製品化まで漕ぎ着けたのが、飛騨産のぶどう100%を使った唯一のワイン ”山葡萄ワイン 飛驒 山の宝石箱”です。(現在でも、市内の土産物屋で買うことができます。)
 当時も、ワイナリーを作ろうという機運はあったものの、設備利用率の低さや醸造量確保の問題から、実現には至りませんでした。

 近年のワインブームは、第7次ワインブーム、日本ワインブームとも呼ばれています。これまで日本のワインといえば、アメリカぶどう品種(ヴィティス・ラブルスカ)を使った甘口ワインを連想するものでした。しかし、栽培技術の進歩や品種の多様化により、ヨーロッパぶどう品種(ヴィティス・ヴィニフェラ、ワインを作るためのぶどう)が作りこなせるようになると、辛口の本格ワインが出回るようになり、消費者も質の高い日本のワインがあることを認識し始めました。

 中でも、よく耳にするシャルドネ、メルローといったヨーロッパ品種は、日本での栽培実績も多く、国際ブドウ・ワイン機構(O.I.V.)にて醸造用品種と認められているものです。これらは、国際的に重要な品種であり、EU諸国へ品種名を記載したラベルをつけて輸出できることを示しています。

 日本固有の品種では、2010年に甲州種、2013年にマスカット・ベーリーAが、このO.I.V. に登録されています。これらの品種は、1980~90年頃に、当園でも栽培実績があります。当時は、今よりも寒く甲州種は育ちませんでしたが、マスカットベーリーAは、北限に近く非常に良いブドウが取れていました。ただ、10年に1度の大雪が降った際、平棚が潰れ、以降は巨峰、藤稔を中心とした生食用ぶどうを少量作るに留まっています。

 こうした飛騨特有の気候も近年の温暖化で、少し変わりつつあります。気温の上昇もありますが、一番の変化は雪です。30年前と比べ、雪の量が大幅に減りました。ぶどうは、蔓状の植物なので棚(平棚、垣根)は必須です。ただ先述の通り、雪に弱いという性質を持っています。雪が減ったことは、ぶどう栽培の後押しになると共に、飛騨ワイン産業の雪解けではないかと考えております。

 10年計画ではありますが、2019年、3反の土地でワイン用ぶどうの試験栽培と、台木の栽培(ワイン用ぶどう苗木確保のため)をスタートしました。

 千曲川ワインアカデミー5期の卒業生として、飛騨ワイン産業立ち上げのため、活動しています。たまたま同期生に、志を同じくする仲間が居り、2人揃えば銘醸地を合言葉に、意気投合しています。我々は、飛騨ワインの第二世代として、ヨーロッパぶどう品種の美味しいワインを提供できるよう努力していきます。(2022年現在、飛騨でワインづくりを志す仲間は、4人に増えました。)

 何か進捗がありましたら、ブログにて、ご紹介いたします。最後まで、お読み頂きありがとうございました。

 

Blogへのリンク

飛騨のぶどう栽培に関する考察①-2021

飛騨のぶどう栽培に関する考察②-2021